■ 世の中はそんなに甘くない

そんなの知ってる。
けれど、
案外甘かったりする、ってことも知ってる。

父や母や姉や弟や、そういう血縁を、
血の繋がりってだけで信じられる気持ちが全く分からない。

僕は本当に家族が嫌い。
家族だと思うと、今でも彼等を許せない。
家族だと思わなければ、見なかった振りをしてやり過ごせる。
だって。

世の中に悪人はいないと思う。
けれども、悪人になりきれない悪人ほど手に追えないものはない。
悪いと思いながら悪いことをする人も、
そう思わずに悪いことをする人も、
どちらも手に追えない。
悪人は居ないことが善人ばかりだということと直結している訳ではないのだから。


家族がいない、そう思い込まないとやっていけないから、
彼等は、皆が言うところの家族とは違うものだと僕は思い込んでいる。
そうすると、
世の中でひとりぼっちになってしまった孤独感に苛まれるときも、やっぱりある。
ひとりだな、と思って。

そういうとき、ちょっと泣きたくなるけれど、
ちょっと身軽だったりして。
けれど、
家族がいれば良いのにな、って思ったりもする。