■ 見上げれば同じ空

京都の夜は大阪のそれよりも星が冴え冴えとしていると思う。
見上げれば同じ星空。
オリオンが真上に見える。
冬は好きだ。
こうやって泣かないで歩いたことをまだ覚えている。
あれから年月だけが通り過ぎて、
僕たちは何ら変わらないままここに居る。

死のう、と本気で思っていた。
それは本当だと思う。
ただ、今思えば逃げていただけで、
何か、誰か、に正面から向き合うのが怖くて怖くて
ただ逃げたくなっていただけだ。
それは、今だから分かることで、
例えば、
今、死ぬと思っているんです、と隣人が言うのなら、
それを、逃げているだけだよ、と説き伏せることなんて出来ないと思う。
自分で気付くまで。

今は、僕は生きよう、そう思う。
これから何か、自分からこのつまらない生活を何とか変えていこうと思う。
これから先、また逃げたくなるのかも知れないけれど、
それはそのときに考えれば済むことだと思う。