■ 杞憂

杞の国の人は、空が落ちてこないかを憂いたらしい。
そう考える人には、きっと空が落ちてくる。
そんなこと思いつかなければ、幸せに過ごせるのだろうに。


姉が結婚するらしい。
来年だって。

激しく動揺しました。

姉の結婚自体は素敵なことだと思うし、
シスコンではないので、とっとと嫁いでしまえば良い、そう思うのだが。

その後、あの家はどうなるの？

老老介護が成立する夫婦と
成り立たせない夫婦がいるのは分かる。
彼らは後者だ。
彼らは子供に依存する親だ。
それが悪いとは思わない。
ただ、僕の人生は僕のものだと思っているのに、
きっと、
僕はまた自分を犠牲にして不平を並べながらどこか満足気になるのだと思う。

いちばん嫌いなのは、いつまでも良い子でしかいられない自分だ。
やりたいことが見付からず、
ひとりでフラフラしている自分がいちばん嫌なんだ。

だけど、
あの家には、もう戻りたくない。
辛かった過去をなかったことにしたくはないんだ。
辛かった過去を忘れずに、けれど笑おうと思っているのに。