■ 土砂降りレイン

土砂降りの雨に降られて、
脱水をしない洗濯物みたいに、水が滴った服で部屋に着いた。
魔女の宅急便のキキはこうやってカゼをひいたな、と思いながら、
僕もこのまま溶けてしまえればいいのに、とそのまま眠った。

のどが少し痛い。


強くなりたかった訳じゃない、強い振りをしなければ生きられなかっただけ。
生きたかった訳じゃない、死ねなかっただけ、生きるしか術がなかっただけ。
あなたの当り前が、
あなたにも私にも当て嵌まるだなんて思わない方が良い。
愚直な誠実が私たちを蹂躙することだってあるのだ。

ヘラヘラと笑っているのは何も知らないからではなくて、
何も知らない振りをしなくては、保っていられないだけだ。

正しいとか間違っているとか、
それが全てではないし、
間違ったことばかりをしてきたんだと思う。
泣いていたことが証拠だと思う。
言い訳でしかない、全て。

だから、こうやって雨に打たれても
足が痛くても
泣かないで帰らないといけないのだと、そう思った。


まだ笑えるかな。