忍者ブログ
例えば、今日とか?
+カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
+最新記事
(05/14)
(05/03)
(03/30)
(03/07)
(12/24)
+プロフィール
HN:
h
性別:
男性
+カウンター
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

僕のとりえは身体だけだと思っていた。
体型と食事には気を付けているし、太るのは嫌いなので、悪くない肉体だと思う。
お金がなくて借りる人もいなかったので、売りをすることにした。深夜のコンビニバイトも考えたけれど、会社に勤めていたし、人肌は好きだったし。
相談できる人もいなかった。
26才。
電話をしたら若い男の子が出て、その礼儀正しい口調に少し驚いた。面接の待ち合わせはロフトの横にあるベンチで、寒い日に寒々しい空の下で、僕はひとり待っていた。約束の時刻より少し前に、かわいい顔をした男の子がやって来て、そのまま仕事場であるマンションの一室へふたりで向かった。
面接と言っても、仕事のやり方や部屋の使い方、支払いのシステムを教わるだけで、動機だとかそういう話をしたりする訳ではなく、採不採は電話の時点で決まっていた。くたびれた背中のマスターは常識的で親切だった。
写真を撮って、契約金として1万円を手渡された。いい身体だと言われた、売れるよと言われた。けれど、僕の興味はその1万円札だった。これで新幹線の切符を買えると思った。
ただそれだけのことだった。
PR
□ この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード
□ この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
TOP

忍者ブログ × [PR]


Produce by Samurai Factory Inc.